2009 年 11 月 15 日

お客様の快適の為に 何をすべきか?

Filed under: ブルーフィールドのお話 — admin @ 2:39 PM

はいさい!

すっかり日没が早くなった沖縄から土門です。今日は研修結果の報告をしますね。

10月某日の事でした。かねてから計画のあったスタッフ研修を実施しました。

実はここ1年ほど 「襟がよれてるっ」「しゃべり方が悪い」「挨拶の声が小さい」「少ない人数で多くの仕事をこなさなきゃいけないんだから、効率良く動け」とか「現場を仕切っているのは誰だ?」など水野がスタッフの服装や行動に注意する姿が増えていました。しかし 水野一人で出来ることには限界があります。会社という組織を変えなければ!どこかでリセットしなくてはならない。そういう思いがあったのだと思います。

☆まずは先発メンバーが

そのための研修が企画されました。意味のあるものにするためには研修そのものが持つ意味を 参加するスタッフがきちんと理解する必要がある。

その為に研修スタートまでにも何度もミーティングがありました。

もちろん参加する立場 によって物の見方も違いますし目的も違ってきます。先発チームは自分たち自身が感じたこと、気になったこと、気がついたことなどを初日の夜にリスト化。その中から テーマを見つけ後発チームが研修に参加した際に見るべき点として抜粋し後発チームが研修参加した際には 何に気をつけてみるのか?といったガイドラインの作成も行います。後発チームはそれらをふまえて自分の眼で見て、肌で感じてくることによって何かを掴む。

スタッフ全員が同じ物を見て そこから何かを感じている事。

「高い水準のサービスを目指そう!」という話になった時に 目に見えないサービス、スタッフの服装や動作、施設や物品の管理、清潔感というものの具体的なイメージが共有化できる事は重要です。具体的なイメージがあれば 目標とする姿にブレが無くなりブルーフィールドがどういうサービスを目指しているのか共通の目標として進んでいけるのです。

☆研修スタート

研修は1泊2日でホテルに滞在してチェックインからチェックアウトしてホテルの敷地を出るまでです。
普通の研修とちょっと違うのは講師を呼んだり、誰かの講座を聴講したりという物ではない事。

研修会場はインターコンチネンタル万座ビーチリゾート

万座のプールです。あえて講師は誰か?と説明するとホテルの従業員全員です。そして参考にすべきはホテルの施設全体です。

外資系のホテルのホスピタリティの高さは定評が有ります。
僕たちはダイビングスタッフとしての一面だけではなくサービスマンシップ全体について向上すべきだと考えたのです。僕たちの店に来るお客さんたちが どのクラスのホテルに泊まり、どんなサービスを受けているのか?どのレベルのサービスは「当然」だと思っているのか。

リゾート感あふれる景色また後発チームはお客さんの気持ちになってサービスを受けることもテーマの一つでした。

☆メンバー編成
社内的にサービス、 安全面のリーダーシップを取る渡部、講習面でのリードをする土門、サービス&営業面で圧倒的な経験を持つ柏淵、経営者としての経験を持つ山崎の4人がまず は先陣を切って研修参加となったのでした。そもそもダイビング業界は、比較的若い世代で構成されている業界です。バブル経済以降ダイビング人口が爆発的に増えたとはいえ 年齢層では圧倒的に上下の幅が薄いのです。 この界隈では比較的年齢層の高いと思われる わが社でさえも一般的な企業から見たら若い集団でしょう。

先発チームは常に後輩の見本となると共に会社を変えていく中心となる必要があるのです。更に、自分たち自身がサービスの様々な面に気付くことと、自らの役割の再確認、後半の研修チームへの課題作りなど 多くのチェック項目を事前にリストアップしてのスタートです。

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☆研修を終えて今後取り組むこと

今回の研修によって 気が付いた事はたくさんあります。

また今後すぐに出来ること、出来るけれど時間がかかることもたくさんみつかりました。
ここで皆さんにご紹介するまでに 更に何回もミーティングをして、挙がった項目の中から精査して何から取り組むのかの絞込みをやってきました。

そして多くの課題の中から「基本的なことだけど大切、且つすぐに取り組む事」として
・「器材の維持と管理」
・「身だしなみ」
・「きちんと挨拶する」
の3点に焦点を絞ることにしました。

今まで取り組んでこなかった訳ではありませんが、現状の我々はまだまだ足りない部分があったのです。

「器材の維持と管理」
マリンメニューに参加した時の事です。普段はサイズをお尋ねしてレンタルを準備する側ですが今回は逆。サイズを伝えてレンタル品置き場へ。ここは倉庫にお客さんが入っていって(最初からそういう造りだから汚くは無いですよ)その場でレンタル品を受け取ります。その時に目に入ったのが「消毒液」

消毒液です最近ではスーパーやデパートなんかの入り口に普通に置かれているスプレー式のアレです。「お、消毒してるんじゃん」と感心。そして使用後に返却したらまずは「水洗い」そしてその後 別の容器に入れたのです。「???」何か液体が入っているのは見えましたが無色透明。気になったので聞きに言ってみると「あ、消毒です」の返事。「おお!すぐに洗って消毒してその後 何かの機会に倉庫内のスプレーも出番が来るのか!」と感心しました。

お客さんの立場で見たときに「素肌に触れる物は清潔であって欲しい」「綺麗なものを使いたい」と素直に感じました。
そして これからは皆さんにつかっていただくレンタル器材を できるだけ綺麗に、そして衛生的に維持したいと考えました。

クラシックカーが良い例ですが「古い=ボロ」ではありません。最初から愛情を持って取り扱い、きちんと手入れをしていれば綺麗に維持できるはず。

でもダイビングで塩や紫外線に当てられて酷使される器材にとって「傷み」は避けられないこと。かなり使い込まれて 見た目の古さにくたびれた感がともない始め「ボロく」感じはじめたBCD。こういった器材がブルーフィールドのレンタルにはありました。(もちろん機能に問題があるような壊れた物は処分していました。 )

あまりに見た目にひどい物は借りる側として考えた時にどうなんだろう?という事で 昨年から今年にかけて「かなり古くなったレンタル品」→「故障時のバックアップ器材に格下げ」  数が減った分は「新品の器材を新規にレンタル品として導入」して入れ替えました。

マスクも同様です。高温多湿の沖縄では丁寧に洗っているつもりでも チョット気を抜くとカビが生えてきます。一生懸命洗っても落ちないものも出てきます。こういったものも入れ替えをしました。

そしてこれらを長く綺麗に使っていただけるように毎回の点検と洗浄、発見した不具合は早期に対処するように体制を協議し 実行することにしました。

具体的には…
レンタル器材は返却時、準備時、お渡し時の3回のタイミングでチェックし、発見された不具合品は間違って現場に出ないように一旦隔離。
症状によって即日処理する物~後日分解修理まで区別します。
また分解修理されたレギュレーターに関しては スタッフが必ず水中で使ってみて不具合が無いか?最終の確認をしてからレンタル品として再び現場に戻ります。
マスクに関しては洗剤で洗ってから収納。
そしてこれら器材を収納している倉庫では毎日2台の除湿機を使って カビの発生を予防しています。更には 歯科医が講師を務めるサニタリー研修に参加するなどしました。消毒に関しては 単純に「ハイター使ってます」ってレベルの話ではいけないんですね。特に口にするものに関してはすすぎの徹底などもありますし、薬品を扱う事になるのでその薬品の取り扱いや浸漬時間の管理方法など課題もあります。今後はこういったところで吸収した消毒法も導入する予定です。

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「身だしなみ」社会人として当たり前の話です。

海の場合「お客さんと一緒に遊んでいる」感じが強いせいか「海で汗だくで仕事をしているのだから、よれよれのT-シャツでも足元がいつもビーチサンダルでも良いよね♪」 そう言ってもらえていたのも事実。でも環境は変わりました。沖縄への入域者数が500万人を超え良いサービスに慣れた人たちが増えています。

ダイビングが第一目的でその為には宿なんて寝られれば良い。そう思っている方達はその分 ダイビングに多くの期待をします。リゾートライフの延長でダイビングを楽しみたい人は同じようなクオリティでの遊びを期待するでしょう。
いずれにしても 以前のようなダラダラしたカッコが許される時代は終わったと考えるべきでしょう。

小さなことですが 例えば空港やホテルへの送迎時、ブルーフィールドのスタッフは靴で行きます。当然でしょ?と言われるかもしれません。
でも普段そういった事を意識した環境や職場にいる方にとっては実はかなり気になることだったりしますよね。そして沖縄に遊びに来る皆さんの日常生活の中でビーチサンダルで接客している職場は・・・ありませんよね。「沖縄だから」で甘えずに「一社会人として」時と場所に合わせた格好をする。

華美な装飾品は身につけない(少なくとも業務中は)そして清潔感を大切にする。ホテルスタッフの姿を見て 少なくとも不快に思うスタッフは居ませんでした。

僕達も接客業に携わる一員としてこういった面も徹底していこう、互いにチェックする目を持ち全ての事が当たり前に出来るようにしよう!と考えました。ツメや髪型、シャツの襟や服のシワなど、朝出社する時でさえ 自分以外の目ではチェックしていなかった現状を変えて、セルフチェックの回数を増やし互いに注意しあう。  おかしいと思う部分は相手が誰であっても指摘する。皆さんからもビシビシご指摘下さい。

「きちんと挨拶をする」というのもあまりにも当たり前すぎるのじゃないか?とう見方も有りますが当たり前のことがきちんと出来ていなくて、それ以上のことが出来るはずがありません。

しかしマナー講座のように「挨拶の時の腰の角度」といった形を身につけましょうというのでもありません。もちろんそういった事も大事では有りますが、それよりも「おもてなしの心」を常に意識して目を見て笑顔での挨拶を心がけます。考えれば考えるほど「きちんとする」というのは簡単なようで最も難しい事なのかもしれません。
また、ダイビングと言う僕たちの仕事と言うのは 朝お迎えして 夜お別れするまで長い時は10時間以上お客さんと行動を共にするという点で多くの他業種に比べて特殊だと思います。快適に過ごしていただくためには、丁寧で礼儀正しくあるべき部分と堅苦しくならない様に 意識的に崩す部分が必要。しかもそれが自然にできていなくてはいけないとも思っています。

当たり前だけど大切なこと。
そういう事の積み重ねをすることによって 最初のご挨拶からお別れまで気持ちの良い時間を過ごしていただけるように スタッフ一同で努力をし続けていきます。

☆その他に

わかりにくいけれど、とても重要な要素に、「気が利くか?」というのがあります。特別に悪いことをしているのではないのに「このスタッフ、気が利かないな……」と感じる。これは大問題なのです。
しかしこういった事の底上げにはそれなりに時間もかかります。資質の問題が絡むからです。課題としては中長期の目標になります。
水中ではしゃべることが出来ないので、目や表情、仕草などを察しなければならないのですが 同じような事は一流のレストランスタッフも観察しているはず。
さりげなく察して 追加オーダーを取りに来たりとか。空の食器をすみやかに下げてくれるとか…

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でも 声をかけたいのに気付いてくれないもどかしさは、おそらく水中の方が強いことでしょう。
そういった 注意深さと繊細さは非常に大切。
安全管理は出来て当然。楽しんで頂くために生物を探したりコース取りを考えるのも当然。他のショップやチームの動きを見ながら臨機応変にコース取りを変えたりするのも当然。だからこそそれらに注意深さと繊細さを加えて「気の利くスタッフ」として皆さんに喜んでいただけるように少しずつかもしれませんが前進をし続けたいと思います。

☆出来事

皆さんが受けているサービスを知り、私達が提供するサービスと対比をする。業態が違うので全てがホテル品質である必要はないのですが食事をしにレストラン に行った際には「席に案内してくれる時のスタッフ立ち居振る舞い」を見て、席に着けば「フロア係の向ける視線と連携」を観察といった具合に参考に出来るも のは多くあります。

滞在中レストランだけでなくいろいろな部署の人達が「要望になるべく応えよう」という姿勢でいたのを感じました。
例えばこんな事がありました。
ノートパソコンを使って文章作成をしたのですがプリントアウトしたくてもプリンターがない事に気がついた。
ビジネスセンターに行けばあるだろう なんて思っていたらリゾートホテルなのでビジネスセンターがそもそも無かったのでした。

さぁ困った。

1台のパソコンを皆で覗き込んでいても仕方が無い。 だからといって店に戻ってプリントアウトするには時間は23時30分を過ぎているし…。
だめもとで「プリンターが無いのは分っているけど何とかしてくれないか?」とサービスデスクに頼んでみたら その人は、あちこち動き回って結局なんとかし てプリントアウトしてくれたのです。ウイルス感染の心配なども考えるとLANであちこち繋がっているプリンターに外部のパソコンを繋いで印刷してくれるな んて結構すごいことだと思うのです。当然その辺の対策をしたからこその対応だと思いますが、出来るだけお客さんの要望に応えようという気持ちに素直に喜ん だのでした。
期待以上の事に出会うと感動します。感動してもらえるようなサービスが目標です。

☆ところで海は?

一応マリンメニューも参加してきました。
マリンメニューの受付に行ったら 顔の広い渡部氏のおかげであっさり「マリン関係の人間である」事が悟られてしまい、研修には壁が。
スノーケルでも 他の人はやらないような所からエントリー。

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ダイビング関係者である事がわかっていたのでしょうか、結構な距離を泳いできました。
こうなると、思い切って楽しんじゃった方が良いのかも知れません。
ドラゴンボートもリーフの外へ飛び出してゆきました。
いやぁ 土門的にはかなり久しぶりにドラゴンボート(いわゆるバナナボート)に乗ったので盛り上がっちゃいました。でもそれ以上に盛り上がっていたのが渡部氏でした。何しろドラゴンの上でこれでもかっ!て位跳ねまくっていましたからねー。
ご存じない方も多いと思いますがかつては毎日のようにドラゴンを曳いていた事もある渡部氏。曳かれる方が楽しいみたいです♪


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